この記事で得られること
- 「専門知識」ではなく「思考プロセス」を売る方法がわかる
- 設計課題(エスキス)の経験を「課題解決力」に変換する技術
- 「鳥の目・虫の目」の視点移動をビジネススキルとして伝える方法
理系学生の皆さん、突然ですが、就活に対してこんな「諦め」を抱いていませんか?
「専門的な設計の話なんて、どうせ文系の人事には伝わらない」
「製図室や研究室に引きこもっていた自分には、ビジネスで使えるスキルなんてない」
もしそう思っているなら、今すぐその認識を改めてください。それは大きな間違いであり、非常に勿体無い「翻訳エラー」を起こしています。
私は九州大学の建築学科で、来る日も来る日も図面を引き、模型を作り、講評会で鋭い指摘を受ける日々を送ってきました。
正直、設計職以外でこの経験が活きるとは思っていませんでした。
しかし、ビジネス職(コンサル・事業開発)の内定を得た今、確信していることがあります。
私たちが学問の現場で当たり前にやっている「泥臭い思考と作業」。これは、ビジネスの世界が喉から手が出るほど欲しがっている「最強のポータブルスキル」そのものです。
伝わらないのは、能力がないからではありません。 「理系の言語」を「ビジネスの言語」に翻訳できていないだけです。
今回は、建築学生である私の実体験をベースに、あなたが積み上げてきた研究や制作の日々を、面接官が即採用したくなる「武器」に変えるための翻訳術をお伝えします。
記事の構成
1.なぜ、あなたの「すごい研究」は人事の心に響かないのか
まず、残酷な現実から直視しましょう。
あなたがどれだけ高度なシミュレーションを行なっていても、複雑な実験データを扱っていても、その「内容(What)」そのものは、専門職以外の面接ではほとんど評価されません。
例えば、建築学生の方が面接でそのままこう話したとします。
FlowDesignerを用いて風環境を解析し、パッシブデザインを取り入れた開口部設計を行いました。
これを聞いた文系の人事担当者の脳内はこうです。
へえ、難しそうなことをやってるね…(で、うちの営業や企画で何ができるの?)
ここで発生しているのが翻訳エラーです。
ビジネスの現場が求めているのは「風速の解析データ」という事実(Fact)ではありません。その事実を導き出すために、あなたがどう考え、どう仮説を立て、どう最適解を導いたかというプロセス(Process)です。
多くの理系学生は、事実を伝えることに必死になりすぎて、最も価値のあるプロセスを省略してしまいます。
ここからは、具体的な3つの翻訳パターンを見ていきましょう。
2.翻訳①:「設計プロセス」=「トレードオフの解消」
まず一つ目の翻訳エラーは、「何をやったか(What)」に固執することです。
例えば、化学系の学生が「〇〇という酵素の研究」と言ったり、建築学生が「最新ソフトでの解析」と言っても響きません。
ここでアピールすべきは、その研究を進めるにあたって発揮した「構造化能力」です。
建築学生の皆さんなら共感してくれるはずです。 設計課題に取り組む際、ただ「かっこいい建物」を描いても評価されませんよね。
「対象となる敷地はどういう歴史があるのか?」
「周辺にはどんな人が住んでいるのか?」
「地場産業や交通量は?」
そうした膨大な「周辺情報(コンテクスト)」をリサーチし、それらを紐づけて、「だからこの場所に、こういう機能が必要なんだ」という提案する。
これは、ビジネスにおける「新規事業立案」や「課題解決」と全く同じです。
市場価値は一気に跳ね上がります。
実践例:相反する要素を「構造化」で解決する
口で言うのは簡単ですが、具体的にどう「翻訳」すればいいのか。私が実際に面接で話したエピソードを紹介します。
私が福岡市の「小学校と公民館の複合施設」を設計した時のことです。 ここで直面した最大の課題は、以下の相反する要素(トレードオフ)の両立でした。
- セキュリティ重視 → 閉鎖的になり、地域交流が生まれない。
- 地域開放を重視 → 不審者の侵入リスクなど、子供の安全が脅かされる。
この矛盾を解決するために、私は徹底的に動線を構造化して解決しました。
STEP
物理的な分離(セキュリティ)
入り口を明確に分け、住民が立ち入れるのは1階のみとする。
STEP
視線の交差(交流)
中央に中庭を設け、そこを子供と地域住民がアクティブに繋がれる場所とする。
STEP
空間的つながり
2階の教室からも中庭の様子が見下ろせるようにし、「直接は混ざらないが、お互いの気配を感じられる(視線の交流)」状態を作る。
ビジネスの現場でも「コストを下げつつ品質を上げたい」といった矛盾は日常茶飯事です。面接で語るべきは、建物の形ではありません。
「矛盾する要素を整理し、空間的な仕掛けによって両立させる解決策を導き出した」という構造化能力(Structuring Skills)です。
私は設計課題を通して、セキュリティと開放性という『相反する課題』を、動線計画や視線の操作によって解決するトレーニングを積んできました。
こう伝えるだけで、あなたは「設計ができる人」から「複雑な課題を解決できる戦略家」へと評価が一変します。
この「思考の構造化」は、グループディスカッション(GD)でも最強の武器になります。理系学生がどうGDを攻略すべきか、以下の記事で詳しく解説しています。
3.翻訳② 講評会=「修正力(コーチアビリティ)」
理系学生にとって避けて通れないのが、教授や准教授からの厳しい指導です。 建築学科の「講評会」や、研究室での進捗報告で詰められて凹んだ経験がある人も多いでしょう。
しかし、この経験こそが、文系学生にはない強力な武器になります。
重要なのは、否定された時に落ち込むことではなく、「成果物をより良くするためのフィードバックをもらった」と捉え直せるかどうかです。
私は講評会で否定された時、こう考えるように訓練していました。
「自分が見えていなかった角度からの指摘だ。これを組み込めば、もっと良い案になる」
そして、どうしても進捗が悪い時は、正直に「ここで躓いています」と教授に相談しに行く。 これもまた、ビジネスで極めて重要な「巻き込み力」です。
面接官は、失敗しない完璧な学生を求めているのではありません。 壁にぶつかった時に、素直にアドバイスを受け入れ(コーチアビリティ)、修正し、前に進める学生を求めているのです。
実践例:「鳥の目・虫の目」の視点獲得
実際に私が教授から指摘され、大きく成長できた例があります。
「君の設計は綺麗にまとまっているけれど、そこに人が住む時のイメージが本当にできているのか?」
ハッとしました。 当時の私は、図面を上から見下ろす「鳥の目(全体俯瞰)」でしか計画できておらず、実際に使うユーザーの「虫の目(細部観察)」が欠落していたのです。
その反省から、私は常に「自分がこの空間に立ったらどう見えるか?」という視点を行き来するようになりました。
これは、ビジネスで極めて重要な「UX(ユーザー体験)視点」そのものです。
- 鳥の目 = 市場規模、全体戦略(マクロ)
- 虫の目 = 顧客インサイト、使い心地(ミクロ)
建築学生はこの二つの視点を、日々のエスキスで強制的に往復させられています。面接では、失敗談とセットでこう伝えてください。
過去に『使い手の視点が抜けている』と指摘された経験から、論理的な全体整合性だけでなく、エンドユーザーの感情や体験まで解像度高くイメージする癖をつけています。
これは、マニュアル人間にはない、あなただけの強烈な説得力になります。
4.翻訳③:「模型制作」=「完遂力(Grit)」
最後に、「体力」や「長時間労働」についての翻訳です。
提出前(修羅場)になると、連日連夜、製図室にこもって作業をする。 これを面接で「体力があります! 徹夜も余裕です!」とアピールするのはやめてください。
それは単に「使い勝手のいいコマ」として見られるリスクがあります。 ここで伝えるべきは、体力ではなく「完遂力(Grit)」と「プロフェッショナリズム」です。
なぜ、私たちは指を切りながら1/100の模型を作り続けるのか? 根底にあるのはこんな想いではないでしょうか。
- 「自分が納得できるクオリティまで仕上げたい」
- 「ここのディテール、1ミリのズレもなく美しく収めたい」
妥協せずに作り込むその姿勢こそが、仕事の品質(クオリティ)を担保する原動力になります。これをこう翻訳してください。
私は『なんとなく終わらせる』ことができません。目標とするクオリティが出るまで、細部までこだわり抜き、粘り強く手を動かし続ける完遂力があります。
これだけで、面接官が抱く印象は「元気な学生」から「仕事を任せられる信頼できるパートナー」へと変わります。
5.戦うフィールドを間違えるな:理系の価値が通じる場所
ここまで、理系の経験をビジネス用語に翻訳する方法をお伝えしました。
しかし、最後に一つだけ注意点があります。 どれだけ翻訳がうまくても、そもそも「理系の素養」を評価する土壌がない企業では、あなたの価値は伝わりません。
「戦う場所を選ぶ」ことは、スキルを磨くこと以上に重要です。使うツール(ナビサイト)も戦略的に選ぶべきです。
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もしあなたが修士課程や博士課程に進んでいるなら、まず登録すべきは [アカリク] です。
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まとめ:あなたの「当たり前」は、社会の「非凡」である
最後に、もう一度伝えます。 建築・理系学生の皆さんが普段、研究室や製図室で当たり前のようにやっていること。
- 相反する課題(トレードオフ)を、構造的に解決すること。
- 鳥の目と虫の目を往復し、全体と細部を行き来すること。
- 細部までこだわり、納得いくまでやり抜くこと。
これらは、社会に出ても簡単に身につくものではありません。 皆さんはすでに、ビジネスで活躍するための「基礎体力」を持っています。
自信を持ってください。必要なのは、ほんの少しの「翻訳」と、その価値をわかってくれる「場所選び」だけです。
製図室のドアを開けて、外の世界にその力を解き放ってください。
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