この記事で得られること
- 「時間がない」建築学生が時間を生み出す思考法
- タクシーで得られる「移動時間」以上の価値
- 学校では教えてくれない「お金の教養(FP・簿記)」の必要性
- 飲み会1回分から始める、自己投資への変換テクニック
「お金がない」
これが口癖になっていませんか。
建築学生は忙しいです。終わらない製図、積み上がる模型材料費、迫りくる設計課題の締切。 これに加えて生活費を稼ぐためのアルバイト。
時間は常に不足し、お金も自転車操業。 これが私たちの「デフォルト」だと思い込んでいました。
しかし、本当に「お金」がないのでしょうか。 それとも、私たちは「お金の使い方」というルールを知らないまま、ゲームに参加させられているだけなのでしょうか。
私は最近、ある体験を通じて「お金」に対する価値観がガラリと変わりました。 キーワードは「時間を金で買う」です。
これは経営者や社会人だけの話ではありません。 私たち学生にこそ必要な、生存戦略です。
今日は、建築学生の私が実践している「理系的なお金の使い道」と、そこから得られた「投資マインド」について、少しロジカルにお話しします。
記事の構成
1. 初めてタクシーに乗って気づいた「精神的余裕」の価値
私はこれまで、移動といえば「電車」か「バス」か「徒歩」でした。 旅行先なら「レンタカー」一択。
「学生がタクシーなんて贅沢だ」「数百円で済む距離に数千円払うなんて馬鹿げている」
そう信じていたからです。しかし先日、友人と旅行に行った際、初めて移動手段としてタクシーを選びました。
いわば「成り行き」で乗ったのですが、そこで私は衝撃を受けました。
運転から解放された「空白の時間」
もしレンタカーを借りていたら、どうなっていたでしょう。
| 項目 | レンタカー | タクシー(今回) |
| 手配の手間 | 予約・手続き・返却が必要 | 配車アプリで呼ぶだけ |
| 移動中の状態 | 運転に集中(疲労蓄積) | 全員で会話・思考に集中 |
| 精神的余裕 | 常に緊張状態 | 圧倒的なリラックス |
| コスト(金銭) | 中〜高(ガソリン代含む) | 高(距離による) |
| 得られる価値 | 自由な移動手段 | 移動時間そのものの質 |
後部座席に座った瞬間、そこは「完全なプライベート空間」でした。運転というタスクはプロにアウトソーシングされ、私たちに残されたのは「圧倒的な精神的余裕」です。
数千円で買ったのは「深い会話」だった
車窓からの景色を眺めながら、私たちは普段の学校生活では話さないような、深い話をすることができました。 将来の不安、建築に対する価値観、お互いのキャリアについて。
もし自分が運転していたら、こんな会話は生まれなかったでしょう。
金額だけを見れば、確かにタクシーは高いかもしれません。しかし、その対価として得られたのは、単なる移動ではなく「思考する余裕」と「友人との質の高いコミュニケーション」でした。
数百円〜数千円の差額で、この「体験の質」が変わるなら、それは「有効な手段の一つ」として選択肢に入れるべきだ。 これが、私が「時間を金で買う」という感覚を肌で理解した瞬間です。
2. お金を使うときの「3つの判断軸」
この経験以来、私はお金を使うときに、ある「3つの軸」を意識するようになりました。 感情で「高い・安い」を決めるのではなく、自分なりのロジックで判断するのです。
スクロールできます
①時給換算の軸
時間は「資産」。
損失回避の視点で機会損失を防ぐ。
②LTV(生涯価値)の軸
目先の安さより「期間価値」。
長く使える本物を選ぶ。
③意味の多重化の軸
一石二鳥を狙う。
「稼ぐ+学ぶ」で密度を最大化。
それぞれ詳しく解説します。
①時給換算の軸(時間>お金)
まず、「自分の時給」を定義することから始めます。 これは単なるバイト代の話ではなく、「自分の時間を資産として捉える」ための思考プロセスです。
STEP
自分の時給(資産価値)を定義する
仮にアルバイトの時給が1,000円だとします。
これは「あなたが1時間動けば1,000円の価値を生み出せる」と言い換えられます。
STEP
移動コストを比較する
帰宅手段を迷っているシーンを想像してください。
🅰️ 徒歩で帰宅:所要時間 60分(運賃 0円)
🅱️ タクシー帰宅:所要時間 10分(運賃 1,500円)
STEP
投資判断を下す(損失回避)
「歩けばタダ」ではありません。
「1時間歩く=1,000円分の資産をドブに捨てている」と考えます。
タクシー代(1,500円)を払ってでも、50分という時間を買い戻すべきか判断します。
もし、早く帰って得られた50分で、しっかり休息をとって明日のパフォーマンスを上げたり、読書で新しい知識を得たりできるなら?
「損失回避」の本能を利用する
行動経済学には「損失回避性(プロスペクト理論)」という言葉があります。人は「得をすること」よりも「損をすること」を極端に嫌う生き物です。
あなたは道端に落ちている1,000円を拾う喜びより、財布から1,000円を落とすショックの方が大きいはずです。
それなのに、「時間」という見えない資産になると、平気で1,000円分(1時間)を浪費してしまいます。
タクシー代の1,500円は確かに痛い出費です。
しかし、それによって「50分」という時間が手に入ります。 その50分で読書をして知識を増やしたり、しっかりと休息をとって翌日の生産性を上げたりすれば、長期的には1,500円以上のリターンが返ってきます。
「目先の出費」ではなく、「失う時間の価値(損失)」に目を向けること。 これが最初のステップです。
②LTV(生涯価値)の軸
次に意識すべきは、モノを買うときの時間軸です。 分かりやすく「服選び」で比較してみましょう。
- A: 5,000円の服(1年でヨレて買い替え)
- B: 5万円の服(丈夫でカッコよく、10年着られる)
多くの学生は「5万円なんて高い!」とAを選びます。 しかし、期間(時間軸)で割ってみてください。
脳内計算式(コスト ÷ 期間)
- A: 5,000円 ÷ 1年 = 5,000円/年
- B: 50,000円 ÷ 10年 = 5,000円/年
→ 1年あたりのコストは同じ!
年間コストが同じなら、どちらを選びますか?
Aは毎年買い替える手間があり、着心地もそれなり。 Bは10年間ずっと「良いものを着ている」という満足感と自信が続きます。
これをマーケティング用語でLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)と言いますが、モノ選びにもこの視点は有効です。
「安物買いの銭失い」にならないよう、「日割り・年割りの価値」を見る癖をつけています。
③意味の多重化(一石二鳥)の軸
3つ目は、学生にとって一番重要な視点です。「お金を払う」だけでなく、「お金を稼ぐ」ときも使える「意味の変換(リフレーミング)」です。
一つの行動にいくつの意味(メリット)を持たせられるかで、時間の密度が変わります。
私は常に以下のように脳内で変換しています。
▼ 行動の意味づけ変換リスト
| 対象 | 一般的な思考(❌) | 私の思考(⭕️) |
| 引越し📦 | 疲れる肉体労働 | 有給のジム |
| インターン🏢 | タダ働き | 実務の学校 |
| タクシー🚕 | 贅沢な出費 | 動く書斎 |
このように捉え直すと、ただ辛いだけの時間が「一石二鳥、三鳥のオイシイ時間」に変わります。
同じ1時間を過ごすなら、複数の目的を同時に達成する。これが忙しい建築学生の生存戦略です。
一つの行動に、いくつの意味(メリット)を持たせられるか。これを意識すると、時間の密度が2倍、3倍になります。
3. なぜ建築学生が「簿記・FP」を学ぶのか
私は現在、大学の課題やこのブログ執筆の合間を縫って、簿記やFP(ファイナンシャルプランナー)の勉強をしています。
私は就活で「設計事務所」などの建築専門職ではなく、「ビジネス職(コンサル・事業開発)」に進む決断をしました。
「ビジネス職に行くから金銭知識が必要なんでしょ?」と思われるかもしれません。
しかし、私の考えは少し違います。 もし私が設計職を選んでいたとしても、間違いなく同じように勉強していたはずです。
理由は明確です。「お金のルール」を知らないまま社会に出るのは、あまりに危険だからです。
学校教育のパラドックス
よく考えれば不思議だと思いませんか。 私たちは小学校から大学まで、微分積分や物理、歴史の年号は嫌というほど叩き込まれます。
しかし、社会に出てから誰もが毎日必ず使うツールである「お金」については、驚くほど何も教わりません。
これらを学ばずに社会に出るということは、ルールブックを読まずにスポーツの試合に出るようなものです。
| 🏫 学校で必死に習ったこと | 🏢 社会で毎日使うこと |
|---|
| 微分・積分、物理公式 | 税金、保険、給与明細の仕組み |
| 歴史の年号(794年など) | 資産運用のルール(NISA・iDeCo) |
| 古文・漢文の読解 | 契約書、決算書、PL/BSの読解 |
▲ 習っていないのに、知らないと搾取されるのが「お金」のルール
負ける(搾取される)のは当たり前です。
生涯使える知識を、今
簿記やFPの知識は、一度身につければ一生使えます。 先ほどのLTVの話で言えば、これほどコストパフォーマンスの良い知識はありません。
- 就活で企業の財務諸表を見たとき、「この会社は利益が出ているが、現金がない(黒字倒産のリスク)」といった裏側が見える。
- 自分の生活費を管理するとき、「これは消費か、浪費か、投資か?」の線引きができる。
仕事で直接電卓を叩くわけではないかもしれません。しかし、資本主義社会で生きていくための「基礎教養」として、今のうちに身につけておく。これが、私が考える「メリットの最大化」です。
4. 私の「戦略的課金」リスト(投資の実例)
では実際に、私がどこに「投資」しているのか。 現在のリアルな課金先と、その「狙い」を紹介します。
①日経新聞・ビジネス書への課金
「まだ学生なのに日経新聞?」そう思うかもしれません。私も最初はそうでした。
きっかけは、インターン先でお世話になった社員の方の一言です。
「日経はビジネスマンの共通言語。読んでいないと会話の土俵に上がれない」
それまで私は、ネットの無料ニュースで十分だと思っていました。しかし、詳しく調べようとすると「ここから先は有料会員限定」という壁に何度もぶち当たりました。その度にブラウザを閉じる。 この「情報の寸止め」は、知らず知らずのうちに私の知的好奇心を削ぎ、小さなストレスになっていました。
「身銭を切る」からこそ学ぶ
思い切って有料会員になってみて、気づいたことがあります。 それは、情報の質云々以前に、自分のマインドセットが変わったということです。
「毎月お金を払っているんだから、元を取らないともったいない」
この心理が働き、忙しい中でも隙間時間を見つけては記事を読み、思考する習慣がつきました。 課金してまだ日が浅いので、経済的な「元」が取れたかは分かりません。しかし、「情報を能動的に取りに行く姿勢」が身についたこと自体が、最大の投資リターンだと感じています。
②Dラボ(知識のサブスク)
読書や知識への投資も惜しみません。 自分が一生かけても体験しきれない膨大な知見を、本や動画を通じて数時間でインストールできる。 これこそ究極の「時間のショートカット」です。
③プライスレスな体験
ここが大事なポイントですが、私は全てを合理的にガチガチに管理しているわけではありません。
旅行での感動。友人との語らい。趣味のバイク。ライブでの熱狂。
これらは「プライスレス」です。合理性など関係なく、心が動くものには惜しみなくお金を使います。
普段、タクシーや固定費の管理で「時間」や「お金」を最適化しているのは、本当に大切なこの瞬間に、全力でリソースを注ぐためなのです。
5. まず「飲み会1回」を断ることから
ここまで読んで、「自分も投資思考を持ちたい」と思った方へ。いきなり「タクシーに乗れ」「株を買え」とは言いません。
もっと簡単で、明日からできることがあります。
それは、「なんとなく参加している飲み会」を1回だけ断ってみることです。
その3,000円と3時間を、自分へ
惰性で行く飲み会に、3,000円〜4,000円。 そして移動も含めて3〜4時間を使っていないでしょうか。
その1回を断るだけで、あなたの手元には「4,000円」と「4時間」が残ります。
スクロールできます
🍺
なんとなく行く飲み会
❌ コスト:4,000円
❌ 時間:4時間消失
❌ 翌日の二日酔いと後悔
❌ 生産性のない愚痴
📚
1回断って得られるもの
⭕️ 良書が2〜3冊買える
⭕️ 睡眠を4時間確保
⭕️ ニュースアプリで社会情勢を深掘りしてみる
⭕️ 将来の資産が増える
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最後に、今回の記事の要点を整理します。
私たちが目指すべきは、単なる「節約家」ではありません。自分という会社の価値を最大化する「投資家」です。
そのために必要なマインドセットは以下の3つでした。
- 時間を買う勇気を持つ
- タクシーは贅沢品ではなく「時間を生み出すツール」。
- 数百円を惜しんで1時間を失うより、課金して「思考する余裕」を手に入れる。
- 知識で武装する(FP・簿記)
- 学校は教えてくれないからこそ、自分で学ぶ。
- 数字に強くなることは、搾取から身を守る「盾」になり、ビジネスを動かす「武器」になる。
- 「意味」を多重化する
- 飲み会を断って浮いたお金で、良書を買う。
- 浮いた時間で、情報をインプットする。
- 1つの行動から複数のリターンを得る「一石二鳥」を常に狙う。
建築学生は、構造を理解し、ゼロからモノを作り出す力を持っています。そのポテンシャルは計り知れません。
だからこそ、「お金がない」「時間がない」という理由だけで、その可能性を狭めてほしくないのです。
お金について考えることは、ケチになることとは対極にあります。「自分の人生の選択肢(自由)を増やすこと」です。
まずは今日、なんとなく買っているコンビニのコーヒーを1回我慢して、その時間でこの記事の内容を振り返ってみてください。 その小さな意識の変革が、あなたの学生生活、ひいては将来のキャリアを大きく変える「投資」になることを祈っています。
「就活を戦略的に進めたいあなたへ」
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