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自己分析で迷子になるな。就活軸は「見つける」ものではなく「設計」するものだ

就活軸の決め方|「発見」より「設計」せよ。建築学生の仮説思考アプローチのアイキャッチ画像
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⚠️ 建築学科の同期・後輩へ
「批判」ではなく「生存戦略」として読んでほしい

■ 建築へのリスペクトと、私の敗北

まず誤解のないように言っておきますが、私は建築という学問、そして設計に真剣に取り組む同期たちを心から尊敬しています。徹夜して模型を作り込み、コンマ数ミリのディテールに魂を込める。あの熱量とクリエイティビティには、正直逆立ちしても勝てないと思いました。彼らこそが、真に建築家になるべき人たちです。

■ 「逃げ」ではなく「勝てる場所」への転換

だからこそ、私は「設計という土俵」で戦うことを辞めました。自分が彼らに勝てる領域はどこか。自分の強みである「論理的思考」や「仕組み化」が最も評価される場所はどこか。

そうやって冷静に分析し、行き着いたのが**「ビジネス(事業開発・コンサル)」**というフィールドでした。

■ このブログの使い道

この記事には、建築を学ぶ過程で「あれ?」と違和感を持ったことや、「ビジネスの世界ならこう考える」という視点を、忖度なしの辛口で書いています。

建築を否定するつもりは毛頭ありません。ただ、もしあなたが「設計以外の選択肢」を少しでも模索しているなら、ここにあるのは、一足先にそちらへ舵を切った先輩の「生存戦略のログ(記録)」です。

感情論ではなく、一つの「判断材料」として使い倒してください。

この記事で得られること
  • 終わりが見えない「自己分析の沼」から脱出する思考法
  • 建築の「設計プロセス」を応用した、独自性のある志望動機の作り方
  • 面接官の深掘りに耐えうる「論理と熱量」の組み立て方

こんにちは、Tです。就活も本格化してくると、同級生との会話は決まってこうなります。

「自己分析、進んでる?」

「就活の軸、何にした?」

僕も友達とよくこの話をしていましたが、正直に言うと、この「軸は何?」という質問ほど不毛なものはないと、今になって思います。

なぜなら、多くの学生にとって「軸」なんて、最初からあるものじゃないからです。

僕自身、納得のいく「自分の理想状態(キャリアの設計図)」が完成したのは、10月でした。 就活は4月から始めたので実に5ヶ月もかかっています。

当時の僕は「効率的な方法」を知らなかったので、これほど長い時間を無駄にしてしまいました。しかし、今からお話しする「設計の思考法」さえ身につければ、納得のいく軸を作るのに、そこまで時間はかかりません。

今回は、そんな僕が5ヶ月間の迷走の末にたどり着いた、「建築的思考(仮説思考)」を使った自己分析についてお話しします。

これは、過去をひたすら掘り返すだけの作業ではありません。 僕たち建築学生が普段、設計課題で行っている「エスキス」のプロセスを、そのままキャリアに応用する手法です。

もしあなたが、自己分析の沼にハマって身動きが取れなくなっているなら、少しだけ視点を変えてみてください。

記事の構成

1.なぜ、過去から振り返る「自分史」は失敗するのか

多くの就活本では「まずは幼少期からの自分史を書きましょう」。こう指導されます。もちろん、過去を知ることは大切ですが、「過去から順に」考え始めると、多くの人が行き詰まります。

それは、建築で言えば「どんな建物を建てたいか」が決まっていないのに、ひたすら敷地調査をしているようなものだからです。

2.建築における「エスキス」の鉄則

設計の授業(エスキス)で先生から最初に聞かれるのは、必ずこれです。

「で、君のコンセプトは何?」

敷地のデータよりも先に、「この場所に、何を作りたいのか」という未来の意志(コンセプト)を問われます。 就活も全く同じです。

  • コンセプト(未来の意志):自分はどうなりたいのか
  • 敷地データ(過去の経験):強み、エピソード [/説明リスト]

「なりたい未来(仮説)」というフィルターを通して初めて、過去の経験は「価値ある証拠」に変わるのです。

実例:「映画館×コミュニティセンター」の設計プロセス

少し具体的な話をします。

以前、大学の課題で「公園にコミュニティセンターを設計せよ」というテーマが出たことがありました。 (※コミュニティセンターとは、地域住民が交流したり、活動を行ったりするための公共施設のことです)

この時、僕はまず周辺環境をリサーチし、ある一つの事実に目をつけました。

「この地域には映画館がなく、住民が映画を見るには電車で都市部まで出る必要がある」という現状です。

そこで僕は、一つの仮説(コンセプト)を立てました。

単なる集会場ではなく、「映画館×コミュニティセンター」を設計することで、若者から高齢者までが自然と集まる文化拠点を作れるのではないか?

このコンセプトを立てた上で、地元の方にヒアリングを行いました。 すると、

「確かに近くに映画館があったら嬉しい」
「夜に出歩ける場所が欲しい」

という声(=裏付けとなるデータ)が得られたのです。 結果、その設計案は先生からも高く評価されました。

もし僕が、このコンセプトを持たずにヒアリングをしていたらどうなっていたでしょうか?

きっと、「この辺は静かですね」「公園はよく使いますか?」といった当たり障りのない会話で終わり、映画館というアイデアには辿り着けなかったはずです。

自己分析もこれと同じです。

「なりたい未来(仮説)」というフィルターを通して初めて、過去の経験は「価値ある証拠」に変わるのです。

3.僕の敗北記:「成長したい」の裏にあった空虚

偉そうなことを言っていますが、これに気づくまでの僕は、ひたすら「過去」という地面を掘り返すだけの就活生でした。

IT・コンサル面接での「凍りついた空気」

就活初期、僕はIT企業やコンサルティングファーム、人材業界を中心に受けていました。

掲げていた軸

「圧倒的に成長したい」

聞こえはいいですが、その中身は空っぽでした。ある企業の面接で、こう聞かれました。

「Tくんは成長したいんだね。じゃあ、成長した先に何が待っているの? 何のために成長したいの?」

僕は言葉に詰まりました。 何も準備していなかったのです。

成長すること自体が目的になっていて、その先のビジョンが欠落していました。

焦った僕は、とっさに当たり障りのない言葉を返しました。

にんじ

「えっと……経験を積んで、社会に貢献したいです」

その瞬間、面接官の表情がスッと冷めたのを覚えています。

「社会貢献って、具体的に?」

そこから先は防戦一方。「うーん、そうですね……」と言葉を濁し、気まずい沈黙が流れる。 当然、結果は不合格でした。

「人と同じは嫌だ」というプライドと現実

今考えれば、面接官の意図は明確でした。 彼らは僕をいじめたかったわけではありません。 「目標があってそこに向かって頑張れる人じゃないと、目指すものを失ったときに頑張れなくなる」ということを知っていたのです。

ビジネスの現場は過酷です。 単に「成長したい」というファッションのような動機では、壁にぶつかった時に折れてしまう。 だからこそ、「何のために」というエンジンの強さを確認したかったのでしょう。

僕は「人と同じは嫌だ」という漠然としたプライドだけは持っていましたが、それを支える論理も覚悟もありませんでした。

この敗北をきっかけに、僕は自分の過去をただ振り返るのではなく、「未来の仮説」を立てることに本気で向き合うようになりました。

4.コペルニクス的転回:「仮説思考」の導入

この失敗から、僕はアプローチをガラリと変えました。 過去から答えを探すのではなく、先に未来(理想状態)を「仮定」することにしたのです。

これをビジネスの世界では「仮説思考」と呼びますが、自己分析にも応用できます。 具体的には、以下の3ステップで進めます

STEP
Future(仮説)

まず「理想の自分」を仮決めする(コンセプト決定)。

STEP
Past(検証)

その仮説を裏付けるエピソードを過去から探す(敷地調査)。

STEP
Present(ギャップ)

今の自分に足りないものを明確にする(設計図の作成)。

AIと「Why」で仮説を研ぎ澄ます

このプロセスを進める上で、僕は徹底的に「言語化」にこだわりました。

建築学科生は図面や模型で表現することには慣れていますが、言葉だけで自分を表現するのは苦手な傾向があります。

そこで活用したのが、GeminiやChatGPTなどの生成AIです。 (※具体的なプロンプトや使い方は、また別の記事で詳しく解説します)

AIを相手に、「なぜ自分はそう思うのか?」を最低3回は深掘りしました。

「なぜ成長したい?」
→「市場価値を高めたいから」

「なぜ市場価値を高めたい?」
→「会社に依存せず生きたいから」

「なぜ依存したくない?」
→「自分の選択で人生をコントロールしたいから」

こうして「Why」を繰り返すことで、表面的な言葉の裏にある「本音のコア」が見えてきます。

また、AIとの壁打ちを通じて、「この部分は面接で深掘りされそうだな」という予測もつくようになりました。 あらかじめ質問を対策しておくことで、自信を持って面接に臨めるようになったのです。

5.面接官を納得させる「Win-Win」の設計図

では、実際に僕が内定を勝ち取った時のロジックを紹介します。 Future(仮説)とPast(検証)がつながった後、最後に重要になるのがPresent(現在地の把握)です。

ここで僕は、建築学生としての「強み」と「弱み」を正直にさらけ出す戦略を取りました。

Present(ギャップ):建築学生の武器と弱点

僕が志望動機で伝えたのは、以下のようなロジックです。

「私には、建築学科で培った『構造的に物事を考える力』があります。 複雑な事象を分解し、整理して考えることは得意です」

これは自信を持って言える強みでした。しかし、ビジネス職(コンサル・事業開発)を目指す上で致命的に足りないものがありました。

「一方で、私には『言語化する力』と『相手に合わせる力』が圧倒的に足りていません。 これまでは自分が考えたストーリー(図面)をそのまま伝えるだけでしたが、ビジネスでは、相手の理解度や立場に合わせて、ストーリーを組み立て直して話す必要があります」

志望動機の核心

御社には、若手のうちからクライアントと対峙し、泥臭く提案を行う環境があります。 私は持ち前の「構造的思考力」を活かしつつ、御社の環境で自分に欠けている「対人折衝力」と「言語化力」を叩き込みたい。 そうすることで、将来的には思考と伝達の両輪を回せるビジネスパーソンになり、御社の事業拡大に貢献します。

こう伝えたのです。

「自分はここが足りない。だから御社が必要だ」

このギャップ(Gap)を明確にすることで、志望動機は「お願い」ではなく、双方にとってメリットのある「Win-Winの提案」になります。

「思考の深さはあるけれど、伝え方が不器用」。

そんな建築学生のリアリティを素直に認めた上で、それを克服するための成長意欲を示したことが、面接官の納得感につながったのだと思います。

まとめ:仮説でいいから、まず「杭」を打て

自己分析が進まない人は、完璧な正解を探そうとしすぎています。 でも、最初から正解なんてありません。

建築設計と同じです。 最初から完璧な図面が引ける人なんていません。 まずは「コンセプト(仮説)」を立て、「エスキス(検証)」を繰り返し、少しずつ形にしていくのです。

  • 最初は「仮の杭」でいい
  • 違っていたら打ち直せばいい
  • 繰り返すうちに、太くて強い「軸」になる

まずは「仮」でいいんです。

「自分はこういう人間かもしれない」
「将来はこうなっていたいかもしれない」

そうやって未来に仮の「杭」を打ってみてください。 そうすれば、過去の膨大な記憶の中から、その杭を支える材料が見つかるはずです。

違っていたら、杭を打ち直せばいいだけです。 それを繰り返すうちに、簡単には抜けない、太くて強い「自分の軸」が出来上がっていきます

僕も5ヶ月かかりました。 焦る必要はありませんが、ただ立ち止まっていても何も見つかりません。 まずは一つ、仮説を立ててみることから始めてみてください。

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