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東大・早慶に完敗。建築学生の僕が、プライドを捨てて学んだ「ビジネスの戦い方」

新規事業インターン体験記|建築学生が東大・早慶勢に完敗して学んだことのアイキャッチ画像
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⚠️ 建築学科の同期・後輩へ
「批判」ではなく「生存戦略」として読んでほしい

■ 建築へのリスペクトと、私の敗北

まず誤解のないように言っておきますが、私は建築という学問、そして設計に真剣に取り組む同期たちを心から尊敬しています。徹夜して模型を作り込み、コンマ数ミリのディテールに魂を込める。あの熱量とクリエイティビティには、正直逆立ちしても勝てないと思いました。彼らこそが、真に建築家になるべき人たちです。

■ 「逃げ」ではなく「勝てる場所」への転換

だからこそ、私は「設計という土俵」で戦うことを辞めました。自分が彼らに勝てる領域はどこか。自分の強みである「論理的思考」や「仕組み化」が最も評価される場所はどこか。

そうやって冷静に分析し、行き着いたのが**「ビジネス(事業開発・コンサル)」**というフィールドでした。

■ このブログの使い道

この記事には、建築を学ぶ過程で「あれ?」と違和感を持ったことや、「ビジネスの世界ならこう考える」という視点を、忖度なしの辛口で書いています。

建築を否定するつもりは毛頭ありません。ただ、もしあなたが「設計以外の選択肢」を少しでも模索しているなら、ここにあるのは、一足先にそちらへ舵を切った先輩の「生存戦略のログ(記録)」です。

感情論ではなく、一つの「判断材料」として使い倒してください。

この記事で得られるもの
  • 「社会的意義」という名の甘いエゴを捨てる勇気
  • メンターが突きつけた「株式会社の論理」の正体
  • チーム崩壊を招く「本音の欠如」とその代償
  • 建築学生がビジネスで「両利き」になるための具体的マインドセット

こんにちは、Tです。

大学3年生の9月。東京。 私は、とある急成長ベンチャー企業が主催する「2泊3日の新規事業立案インターンシップ」に参加していました。

今振り返れば、あの3日間は私の人生における「OSの再インストール」でした。 結論から言えば、私はプレゼンすらさせてもらえず失格。 東大・早慶のトップ層を前に、自尊心を粉々に砕かれた「敗北の全記録」をここに記します。

もしあなたが、自分のセンスや「社会を良くしたい」という想いに自信を持っているなら、この記事を読んで、一度冷や水を浴びてください。 私の失敗が、あなたの就活の「転換点」になることを約束します。

記事の構成

1.建築学生の誇りと、見えていた「理想郷」

インターンの課題は「10年で売上100億円を達成する新規事業を立案せよ」という、極めてハードなものでした。

集まった学生は、東大、京大、早慶のトップ層ばかり。厳しい選考を勝ち抜いてきた「就活強者」たちの熱気で、会場は異様な緊張感に包まれていました。

建築脳が描いたパースの美しさ

私はチームでアイデアを出す際、ある「案A」に執着しました。

それは、「身体的・精神的な差異による相互理解の断絶を埋める」というプラットフォーム案でした。性別や体質の違いから生じる、どうしても埋められない「痛み」や「違和感」。

テクノロジーの力でパートナー同士の理解を深め、より円滑で深い人間関係を築けるようにする――。

脳内に見えていた「パース」の正体

その時、私の脳内には建築学生特有の「美しいパース(完成予想図)」が見えていました。

空間

陽の光が差し込む、穏やかなリビングのようなコミュニティ。

光景

これまで互いに抱えていた「不可解な衝突」や「諦め」が解消された瞬間。

笑顔

大切な人と、ありのままの姿で笑い合っている人々。

「この社会課題を解決することは、今の日本において何よりも価値があるはずだ。」

私は、自分が設計課題で培ってきた「人間の機微への洞察」が、ビジネスの世界でもそのまま通用すると確信していました。 しかし、その純粋な「善意」こそが、私を盲目にする猛毒だったのです。

2. 暗号としてのIR。ビジネスという「異国の言語」

議論が始まると、東大・早慶出身のメンバーたちは、私の「熱意」を軽やかにスルーし、ビジネスの実現性を検証し始めました。

画面に映し出された「解読不能な資料」

「Tの案、意義はわかるけど、収益性が読めないよね。ちょっと競合他社のIR(決算説明資料)見てみようか。」

メンバーがパソコンの画面に映し出したのは、聞いたこともない企業の、文字と数字がびっしり詰まった「IR資料」でした。

「売上高」「営業利益」「PL(損益計算書)」「BS(貸借対照表)」……。 彼らはそれらを一回一回調べながら、「このモデルだと利益率が低いな」「こっちは投資フェーズだ」と議論を深めていきます。

断面図は読めても、共通言語がない

正直、彼らもすべてを完璧に理解していたわけではありませんでした。 しかし、「実用的な資料から答えを見つけようとする姿勢」が、私とは根本的に違っていました。

建築図面であれば、断面図一つでその建物のポテンシャルが分かります。 しかし、ビジネスというゲームにおける「共通言語」を、私は何一つ持っていませんでした。

「数字も大事だけど、数字に表れない価値、社会的な意義を優先すべきじゃないか?」

私は、いきなり出てきた実用的な資料の見方もわからず、ただ戸惑うばかり。 無知を認めるのが怖くて、感情論という「逃げ」のカードを切ってしまったのです。

3. 公開処刑。「君は、自分に酔っているだけじゃないのか?」

中間メンタリングの時間。現場のエース社員が、私たちの進捗を評価します。

私は、案Aをプレゼンしました。いかにこの「相互理解」が社会に調和をもたらすか。

「Tくん。君は一体、誰を幸せにしたいの?」

「善意」という名の自己満足

「……身体的な差異で苦しむ人々を、このプラットフォームで救いたいと思っています。」

私は答えました。

「嘘だね。君は『繊細な課題に寄り添っている優しい自分』に酔っているだけだ。それはビジネスじゃない、ただの自己満足の正義感だよ。」

メンターの言葉は、私のプライドを容赦なく切り裂きました。

「君が救いたいと言っているテーマは、確かに尊い。でも、誰が、いつ、いくら払うのか。 その金がどう循環して、100億の再投資を生むのか。

それが説明できないなら、君の言っていることは単なる『願望』だ。持続性のない善意は、期待させた分だけ人を傷つけることになるんだよ。」

経済合理性という「土俵」

「株式会社はボランティア団体じゃない。 100億を作るということは、それだけの価値を社会に提供し、対価を回収し続ける『仕組み』を作ることだ。

君のパースには、その仕組みが1ミリも描かれていない。」

人格まで否定されたような感覚でした。 私の「正義」は、ビジネスの戦場では「無知」という名の無責任でしかなかったのです。

長所が「とどめ」を刺した

普通なら、ここで素直に「勉強不足でした」と認め、方針転換すべきです。

しかし、ここで私の「長所」が悪さをしました。「自分の意見を貫く強さ」「社会課題への感受性の高さ」。普段なら評価されるはずのその特性が、この場面では「柔軟性のなさ」という最悪の短所として機能してしまったのです。

にんじ

いや、でもこのニーズは見過ごせません! 今は儲からなくても、やる価値があります!

それはもう、議論ではありませんでした。 ただの子供の駄々です。

チームメンバーは困り果て、メンターは呆れた顔をしている。 私は、チームを勝たせることよりも、自分のちっぽけな「正義」を守ることに必死になっていたのです。

4. チーム崩壊と、0秒の沈黙

メンタリング後、チームの雰囲気は最悪でした。

私が自分の案に執着し続け、メンバーの「数字に基づく正論」を拒絶したことで、チームは方向性を見失っていました。

迫りくるタイムリミット

最終日の朝。時計の針は止まりません。

焦った私たちは、収益シミュレーションを急いで作り直そうとしましたが、土台のロジックが崩壊しているため、計算が何度やっても合いません。

  • 収益シミュレーションは穴だらけ。
  • プレゼン資料は下書きレベル。
  • なぜ100億いくのか、というロジックは崩壊。

「……間に合わない。」

壇上に立てない屈辱

提出期限。私たちのフォルダには、白紙に近いスライドと、整合性の取れない数字の羅列が残されました。

「選考対象外」

プレゼンの壇上に立つもまともな事業計画書が出せない、他のチームが華々しく発表する姿を、私たちは眺めることしかできませんでした。

他のチームは厳しい質問攻めに遭っていましたが、私たちはその質問を受ける権利すら与えられなかった。 完全な「失格」でした。

5. ホテルの夜。腹を割って話した「後悔の正体」

インターン終了後、打ち上げが始まるまで反省会をしました。

しかし、そこでの表面的な会話だけでは足りず、ホテルに戻ってからも、誰かの部屋に集まり、夜が明けるまで語り合いました。

優秀層たちが隠していた「本音」

「T、あの時、もっと本音でぶつかればよかった。」

メンバーの一人が言いました。

「正直、Tの案は『筋が悪い』って最初から思ってた。 でも、Tの熱量を否定して空気が悪くなるのが怖かったんだ。

無理だと思っていることを隠して議論を進めた俺らも、チームに対して不誠実だった。」

私は、申し訳なさで胸が締め付けられました。 自分の「こだわり」が、優秀な彼らのチャンスを潰してしまった。

心理的安全性の「本当の意味」

「最初から、プライドを捨てて本音で話せばよかった。」

その夜、私たちは互いの弱さを認め合い、徹底的に「どこで躓いたのか」を解剖しました。

  • 「あの時、Tが『PLって何?』って聞いてくれたら、一緒に調べられたのに。」
  • 「俺らも『その案じゃ金にならん』って、もっと早く切り捨てるべきだった。」

皮肉にも、失格が決まってから、私たちはようやく「一つのチーム」になれたのです。

この時作った絆は、今でもたまに連絡を取り合うほど、私の人生の財産になっています。

6. 建築学生が「両利き」になるための3つのOSアップデート

この敗北を経て、私は「建築学生の強み」を活かしつつ、ビジネスで戦うためのOSを再構築しました。

面接では「語らなかった」教訓

この敗北の経験を、私はその後の就活の面接で、武勇伝のように語ることはしませんでした。 「失敗から学びました!」とアピールの材料にするには、あまりにも代償が大きすぎたからです。

その代わり、私の行動(OS)は劇的に変わりました。

その後に参加した別のインターンや、グループディスカッション。 私は、自分の意見が「社会的意義」に偏りそうになるたびに、脳内でもう一人の自分に問いかけるようになりました。

CHECK
感情論になっていないか?

「かわいそうだから」「必要だから」という言葉禁止。数字で語れ。

CHECK
反対側の「経済」を見ているか?

意義があるのはわかった。で、誰がいくら払う?競合のIRは何を語っている?

CHECK
自分を過信していないか?

自分の直感は間違っているかもしれない。周りの「ビジネス脳」の意見を、一度飲み込んで咀嚼しろ。

意見を述べるときは、必ず「両面(社会性と経済性)」から考える。 自分の長所である「想いの強さ」が、悪い影響を与えないように、常に客観的な視点で自分を監視する。

この「自己否定のプロセス」を組み込めたこと

この「客観視」の手法については、こちらの記事で「仮説思考」として詳しく解説しています。

これこそが、私がコンサルや事業開発という「戦略」の職種で内定を勝ち取れた、本当の勝因だったのだと思います。

まとめ:あなたの「パース」を、現実に変えるために

ビジネスには「ロマン」と「算盤(ソロバン)」の両方が必要です。

[captionbox title=”本記事の核心”]
算盤を持たないロマンは、ただの妄想。
ロマンを持たない算盤は、ただの作業。

[/captionbox]

私は、あの時ボコボコにされて、本当によかったと思っています。

プライドをへし折られたからこそ、戦略的に物事を考えるための「算盤」を手にすることができました。

建築の思考

たった一人のための、深くて尊い体験を作る力。

ビジネスの思考

それを100万人に届け、持続可能なシステムにする力。

どちらが偉いわけではありません。 両方持つのです。

IRなんて読めなくても、最初はいい。 でも、「読めない自分はヤバい」という危機感だけは、今この瞬間から持ってください。

就活生の皆さん。あえて自分を否定してくれる場所に飛び込んでください。

そこで流す悔し涙こそが、あなただけの「納得の内定(キャリア・ブループリント)」を描くための、最も濃いインクになるはずです。

片方だけの足で立っていた私は、簡単に転びました。 皆さんは、私の屍を越えて、両足でしっかりと大地を踏みしめ、ビジネスの世界で戦ってください。

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